『アスリート向け卓球専用靴下』開発への想い
山﨑:靴下について、厚さや締めつけ等の細かいこだわりにお応えいただき、実現できる会社とできない会社があるんですが、御社はその部分の開発力や技術力に強みをお持ちであると感じたので、アスリート向け卓球専用靴下のご相談をさせていただきました。
高橋さん:昨年の6月ぐらいにオファーをいただきましたね。
山﨑:そうですね。近年、ラバーやラケット等の進化が卓球選手の進化を後押ししているのに比べ、アパレルに関してパフォーマンスをアップさせるための開発は非常に難しくて、弊社の商品に対して課題やポテンシャルがあるのはわかっていたのに、それを何年もカタチにできなかったんです。
その時に御社とご縁があって、その想いをぶつけたらカタチにしていただいて、着用検証段階まできています。
高橋さん:レンフロはスポーツソックスが得意で自信はあったんですよね。卓球はイメージ的に瞬発系なのか、どういうニーズがあるのか興味がありました。いろいろなスポーツに貢献できる企業になれば商品開発力は間違いなく上がると思い、ぜひということでオファーを受けました。手のひらぐらいのアパレル商品ですが、ここに僕ら何十年という経験を注ぎ込んで、着用検証でもコーチや選手の声を活かして、さらに進化できるし、そういうのがやりがいですよね。
山﨑:卓球はだいたい分厚くて、厚さをもっともっと、通気性をもっとって言われると、その反比例することをどう実現できるのかというのが難しい。素材や編み機も関係しますし、会社によっては実現不可能なこともあり、今回、御社でこうやってカタチになって非常に嬉しく思っています。
思った通りの動きを邪魔しない『足との一体感』
高橋さん:検証ではスニーカーフィット®を採用し、サポート位置の異なる2種類のサンプルをはいていただきました。改めて、スポーツの動きによって靴下が果たす役割はとても重要だと感じました。山﨑さんから最初にお伺いしたご要望は「厚い・クッション性・適度な締めつけ感」でした。例えばランニングですと、土踏まずから甲を締めつけ、プラス足首をもっと締めたいとか、ふくらはぎをもっと締めたいという方もいます。それは血流を促すほかに、疲労が蓄積しないために筋肉の揺れを防ぎたいということでした。山﨑さんがおっしゃっていたのは締めつけが程良いんですよね。スポーツでもこんなに違うのかと、だから、こだわりポイントは突き詰めていくと、履く方によってそれぞれあるのではないかと思いました。
山﨑:卓球は1日に何試合も戦うので、締めつけが強すぎたら疲れるので、靴下をどれくらいはき続けるかということも影響してきますね。
高橋さん:スポーツを徹底的にやられている行動に対して、靴下がお役に立てるチャンスというのはまだまだあるなと感じました。
山﨑:卓球は強くなればなるほど「足」が重要になってきます。足が動いたうえに上半身がついてくるんです。その時にシューズのなかでソックスが動いてしまうと、ほんと0.0何秒の話ですが自分の思った通りの動きに影響してしまい、上半身にいく前にもう不利になってしまいます。だから靴下は重要な役割を持っています。
高橋さん:うれしいね、靴下屋としては。もう担当スタッフはうれしすぎて泣いちゃうね。いつの日か、開発した靴下をはいている選手がオリンピック選手になるかもしれないって思うと、すごくワクワクしますよね。
※「スニーカーフィット®」はレンフロ・ジャパン株式会社の登録商標です。 (特許取得第6643025号)
※本内容は2023年5月に行われた対談になります。
RENFRO CORPORATIONは、1921年に創業した米国最大級の靴下製造販売会社。そ
のRENFRO CORPORATIONと共に、2012年10月に設立することとなったレンフロ・
ジャパン。日本独自に「We are gamechanger」というフィロソフィーを掲げ、過去の靴下
業界の慣習や概念にとらわれることなく、大きく変動する市場や消費者のニーズの変化
をいち早く捉え、行動し、製品を世に出していくことを目標にしている。